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心と身体のよりどころ

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心に花園を ~癌と戦う~

ある日、IT会社を起業した若手の社長が胃癌を患い亡くなるまでの闘病生活を記録したドキュメンタリー番組を見た。

胃癌摘出 → 抗がん剤治療 → 再発

これを繰り返しつつ最新医療を受け続け、癌を克服しようと邁進していた。
癌治療を受けながら仕事も意欲的に続けていた。

「癌に負けない! 癌と闘い続け、必ず勝ってみせる。」

その一言を聞いた時、主人が言った。  「だからダメなんだよ。」

「癌だって自分の細胞の1つ。 自分にとって嫌なものだけを排除して、良いものだけを自分のものにしようという考え方は身勝手でしょ。 そしてこの人は病気になる前と全く同じ生活を続けている。 病気になるにはバランスを乱す原因があったわけだから、バランスを取り戻すことを咥えていかなければならない。 癌だって自分の身体の一部なんだから、憎しみを持ってやっつけるというのではダメなんだよ。 癌は愛おしいわけはないけれど、自分の身体の一部と認めた上で乱れたバランスを取り戻すようにマイナスに傾いている要素をプラスに転じられることをしていかなければならない。 この人はそれができていないから再発を繰り返してしまうんだな。」

そういう彼は、お腹にしこりが触れられる病巣に対して恨んでいる様子もなく、はじめはじっと病と向き合い、克服する術を模索していた。 彼から癌に対する不平・不満・不安などの言葉を聞いたことがなかった。

そういう姿勢を彼は最期まで貫き通せたかというと、残念ながらそうとも言えなかった。
ただし、彼の口からマイナスな言葉が出てきたのは、ほんとに死を目前にして、モルヒネを使用し始める前の想像を絶する痛みに打ちのめされていた時だった。
癌細胞に向けた憎しみというより、止まない激痛に対して向けられた言葉の数々だった。

主人が言っていたことは正しいことなのだと思う。
本当にそういう思いのコントロールができて、マイナスに傾いたバランスをプラスに転じることができたならば、癌細胞は免疫機能によって消滅し、病を克服できるのだろう。
実際に、余命を告げられた後に余生を有意義に過ごしたいと、それまでの生活から一変させて農村で自給自足の生活を過ごされた方が生還した例はいくつもある。
理屈に合っているけれども、そういう切り替えが可能な人は極わずかだと思う。
主人はそれでは駄目だと考え、以前からの生活を続けつつ病を克服する方法を見出そうとしていた。

プラスだのマイナスとか言われても目に見える物ではないし、感情は知らぬ間に湧き出てくるものだから、そういうものをコントロールするのは並大抵なことではない。
それでも、癌に限らず不調を抱いていることを解消させていくには、バランスを整えることをしていかなければならない。
その一つの方法が呼吸法となるのだ。
呼吸法を究めれば、ある程度の感情もコントロールできるようになる。

主人が細胞呼吸を試みたのも、呼吸によってバランスを整えようとする思いからだった。
by idun-2006 | 2013-03-27 11:00 | 闘病生活

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