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心と身体のよりどころ

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心に花園を ~怒り~

肝臓にとって、最もマイナスな感情は「怒り」。

癌細胞で覆い尽くされた主人の肝臓は、腫れ上がっていた。
肋骨からはみ出すほど腫れていた。
初めは胃が膨張しているのかと思ったが、肝臓の肥大だった。

転移性の肝臓癌を患った主人の体調を看ていくにあたり、医師に今後予想される体調の変化を聞いた。
肝機能は、これから益々失われていくことになる。
機能低下に伴い黄疸がでくる。 完全に機能を失うと、多臓器不全につながっていく。
その前に、最も気を付けたいのは肝臓の破裂で、かなり腫れ上がっている主人の肝臓は、いつ破裂してもおかしくないと言われた。 風邪にも気を付けなければならない。 風邪をひいてしまったら、自力で回復させる体力、免疫力は既にない。 風邪=死となってしまうのだ。

医師と関わる以前から、私たちは自律神経のバランスを取ることで、免疫力を高めて病を克服することを考えていた。 なるべく交感神経優位状態にならないように気を付けていた。 ある面では気性の激しいところがあった主人は、「怒り」の感情コントロールが苦手だった。 気づいたらスイッチが入ってしまっている。
主人が怒りだすと、病気が阻止できなくなると案じていたが、肝臓がんの診断を受けてからは、更にその心配が膨れ上がり、肝臓が破裂しないかとドギマギしていた。

「俺はなんてダメなんだ。 怒っちゃだめだと思っているのに、勝手に怒ってるんだよ。 
 まだまだ駄目なんだな。」

彼の怒りは憎しみの怒りではない。 彼独特の正義感からくる怒りなのだ。 そこが普通の人とは違っていたのだけれど、声を荒げて興奮するということは交感神経優位になってしまうということで、癌を抱えている身体には避けたいことだった。

各々がもつ気性は、自分の思い通りに切り替えることはできない。
気を付けたくても、思いは勝手に湧いてでてくるものなのだ。
ある程度年月をかければ、コントロールができるようにはなる。
でも、自分にとって苦手な事象に遭遇し、そのことに真正面から向きわなければならなくなったときに、本来の思いの癖がまた頭をもたげてくる。
その思い(感情)は「出てきちゃダメ」とシャットアウトしようとすると、それは遮断にすることになり、感情を閉ざし、心を閉ざすことになっていく。
思い(感情)を表に出さないようにするのではなく、出てきてしまったときに、それをどう処理するかが大切なのだ。

今、なんの問題もない、とても幸せな毎日を過ごせているかもしれない。 それは、羨ましい程幸運なこと。
でも、自分の一生を終えるまで、ずっとそのまま何事もなく過ごせるほど人生は楽なものではない。
主人のように大きな問題を抱えたとき、やっと自分の感情コントロールの必要性を実感することになり、そのコントロールの難しさに直面する。 でも、問題が大きいほど、即時にコントロールするのは難しくなる。
幸福感に浸れている間に、幸福を満喫し、幸福であることに感謝しつつ、自分の苦手なこと、苦手な感情はどれなのかを考え、その感情をコントロールする練習をしておかなければならない。
by idun-2006 | 2013-01-28 12:51 | 闘病生活

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