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心と身体のよりどころ

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視覚に頼る現代人

年末、掃除をしながらつけっぱなしになっていたテレビで、再放送の番組の内容に手が止まりました。
確か、以前にもこのブログで話題にした事のある、脚本家の倉本さんの「自然塾」の話です。

ゲストとして呼ばれた国文太一くんが、はだしで自然塾内の森の小道を目隠しして歩きました。
敷地内に作られた小道は土の道、丸太を並べた区画、砂利、枯葉の道など、さまざまな区画が用意されてます。

目隠ししているので、どこを歩いているのか、何を踏んでいるのか初めはわからず、たどたどしい足取りです。
でも、インストラクターに手を引いてもらっているので、誘導にしたがって歩くしかない。

足裏に新しい感触を得るたびに、「これ、何? わぁー!」 「気持ちいい」 「今度はゴツゴツしてる。」
など、不安の中 あらゆる感覚を働かせて状況を把握しようとしてます。

次に同じ道をはだしのまま目隠しをはずして歩いてみると、足裏が痛くて歩行がままならない。

国文君の感想
「目隠しして歩いていたときは、足の痛みなんて何にも感じなかったのに、次が砂利道だとわかると身構えてしまうし、実際に痛みを感じてしまう。 不思議です。 それに、目隠しして歩いていたとき、いつもだったら聞こえない遠くでさえずる小鳥の声や風の音が聞こえてくるんです。 普段、いかにいろんな情報を見逃しているのか、思い知りました。」

そんな感想だったと思います。

現代人の私たちは、視覚に頼りすぎていて、その他の感覚、特に体制感覚が働きにくくなっています。

倉本さんが面白いことをいってました。
「5m先のテレビのチャンネルを変えるのもリモコンなんて便利なものができたために身を動かさずにその場で処理できてしまう。 身体を使わなくなったものだからいろんな支障が生じてきて、あえてお金払ってスポーツクラブへ行って、永遠にたどり着かない自転車をこいだり、行き場のない道を走ってる。 ナンセンスです。」

私も似たようなことをクライアントさんに話します。
掃除も炊事も人差し指一本で済ませられるようになったものだから、昔の人に比べて身体の使い方がへたくそになっています。
特に、若者たちの歩行やジョギングのフォームなど、目に余るものがあります。

倉本さんの自然塾では、子供たちが誰に教わることもなく、あたりに散らばる枯れ枝などを使って遊んでます。
特別な道具など用意する必要なんてなくて、葉っぱだったり、石ころだったり、あらゆるものを遊び道具にみたてて、自由に全身を自然にまみれて遊んでます。
そんな遊びの中から想像力や情緒が養われ、身体の使い方も自然に身についていきます。

都会に住む私たちには、身近にそういった環境がなく、なかなか自然と触れ合う機会をもつことができません。
できればお休みに日などに、近くの公園や河原など、自然に近い状態のところへ足を運んでもらいたい。
それも難しければ、スポーツクラブだってかまわないから、歩いたり走ったり、自転車をこいで身体を使ってもらいたい。

人差し指の生活では、必ず支障が生じてきます。
by idun-2006 | 2010-01-03 23:24 | 心と身体のストレッチ

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