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心と身体のよりどころ

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1000万人のカラダ革命 ~身体の細分化と統合~

「身体には約200本の骨と500の骨格筋があります。この骨と筋が、関節という構造によって繋がれ、センサーと脳中枢との神経伝達のやりとりによって、我々は単純な運動から複雑な運動までを行っています。」
普通の人であれば、同じ数の骨と筋肉と関節を持っていて、センサーも脳も、神経伝達の電気信号のやり取りも、全て同じ経路で働いています。(稀に筋肉の数が多い人や、骨の数が少ない人もいるそうですが。)

生態的には同じなのに、普通の人と世界の超一流アスリート達との運動能力の違いは何故おこるのでしょう。
  特殊なトレーニングを行っていたから?
  生活環境が違っていたから?

松本先生曰く
「それは、身体の構造と運動単位をどれだけ細かく分け、どれだけ個別な運動意思と個別動作の全体的目的への統合ができているかですね。」

たとえば、生まれて初めて空手の突きを習うとき、初心者は“腕を引いた、突いた”の2の意識しかできません。
イチ・ニィ、 イチ・ニィ 2拍子で 号令に合わせて腕を動かすのがせいぜいです。
次にチェックポイントを教わります。 
イチ・二ィの間に“と”と入れる。肘が身体の側面から外へ出ないように、身体の中心ラインを滑らせながら拳を突き出す。 イチ・と・二ィ、 イチ・と・二ィ。 3つの意識ができました。
上達するにつれて3つの意識から4つ、5つと、肘を引いた位置から突き出すまでの意識が細かく分かれてきます。腕の意識が細かくなったら、次に足の重心移動は? 体幹の使い方は? と連動の意識が高まってきます。 それが“運動単位”の細分化です。

人間は命を持ってこの世界に生まれ落ちたときには、身体の組織の結びつきは希薄です。
産まれたての赤ちゃんの身体は、くたくたで柔らかく、優しく包み込んであげないと壊れてしまいそうな、組織的には心もとない身体です。 その生命が成長するにつれて組織がバラバラに崩壊しないように、個別単位の組織同士が結びつきを強固にしていきます。 首がすわり、腰がすわってやっとつかまり立ちができるようになります。 初めは細かな動きがでなかった指が動くようになると大きな物から小さな物までつかめるようになります。 道具を使うという行為ができるようになります。 

しかし、その単体だった組織の結びつきが強固になりすぎると、今度は独立した動きが取れなくなり、一つの塊となって運動の行いずらい身体となってしまいます。

「個別の組織がそれぞれの意思によって個性を持った動きをなし、その個性が総合体の総意の方向へと協力し合っているからだが一流のアスリート達だといえます。」

脱力という言葉やインナーマッスルという言葉が頻繁に使われていますが、ただの脱力は、組織の結びつきが希薄な傷つきやすい赤ちゃんと一緒です。
インナーマッスルを使えるようにするには、アウターマッスルや骨の動きとの連動が必要であって、どのような動きと骨格の働きとを目指すのかが明確でないと、ただの自己満足にしか過ぎません。

先に述べた空手の突きの練習でも、肘が身体の外へ出てはいけないのに、本人は分かっていないことが多々あります。 本人は身体の中心ラインを滑られているつもりでも、骨格の動きが意識できていないのか、現状は身体の外へ出てしまっています。 本人の“やっているつもり” をそのまま続けていても、それは独りよがりの自己満足の世界でのこととなってしまいます。

「身体を細分化するのは、そしてインナーマッスルを強化するのは、身体全体の統合的な理想的運動を新たに獲得するためのものです。
脱力やインナーマッスルの指導者は、どのような動きと働きが、この地球環境下においての理想的な動きなのかを、しっかりと勉強すべきですね。」


この松本先生の言葉、身に染みますね。
習う側の感性もさることながら、指導者側も自分で体感できているか、もしくは動きと働きを見抜けているか、試される場です。 それによって指導内容は天地の差が生じてしまいます。
by idun-2006 | 2009-05-23 11:48 | りゅう先生

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