心と身体のよりどころ

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心に花園を ~ポートの埋め込み~

積極的な治療を行えない入院生活でしたが、担当医はできるだけ力になろうと考えてくださっていました。

”ただ高濃度点滴を受けるだけの入院はもったいない。”
”早く体力をつけて自宅へ帰り、自宅で病を克服するためのことをしたい。”

病室では思うようにエネルギーを高めることができない主人は、一日も早く退院することを考えていました。
もちろん病を完治させての退院ではなく、当初の目的の体力をつけることをポイントに捉えていました。

食事による栄養補給が期待できない主人の病状から、医師がポートの埋め込みを薦めてくださいました。
通常点滴を受ける場合、腕の静脈に針を刺しますが、人の身体に針を指すのは、医療従事者しか行えない行為です。
ポートを埋め込めば、私がそのポートに針を刺すことは許されています。
毎日点滴により栄養を補給しなければならない主人の病状を考えると、迷う余地はありませんでした。
ただ胸にポートを埋め込むだけなのですが、これもりっぱな外科手術となります。
命に係わる処置ではないけれど、車椅子に乗せられて手術室に入っていく主人を見るのは、辛いものがありました。
通常ポートは右の胸に埋め込みます。
しかし、右の大胸筋にメスが入ることを嫌がった主人は、左の胸にポートを付けてもらいました。

「回復したら、また武道で身体を切り替えていきたい。その時に、利き腕の右の大胸筋に傷があると、微妙な感覚が得られなくなる。」

ここでも生還に向けての意欲を示してくれたのですが、これがアダとなってしまいました。
はじめは順調に落ちていた液剤が、気が付くと止まっています。

「ねぇ、点滴、落ちてないよね。 詰まってるのかな。」

看護師を読んで見てもらうけれど、原因が分かりません。
ゴソゴソと動いていると、液が落ちる。 でも、また止まる。
主人の微妙な体勢に左右されてしまいます。
コツをつかんだ主人は、自分で胸の位置を調整して液剤を落とします。
ほんの少しでも胸の位置がずれると止まってしまうので、何時間も気にしながら過ごさなければなりません。
この気遣いがかえって負担となってきました。
そのうちに高熱を発するようになり、胸の痛みも感じるようになってしまいました。

40度ちかい熱がでる。 身体が震えるほど寒がる。 身体を温める。 大量の汗をかき熱は37度くらいにおちつく。 ぐっしょりと濡れた衣類を取り換え、ついでに身体を拭いて、濡れたシーツも取り換えてやっと落ち着く。

この繰り返しでした。
こういうことって、通常は病棟担当の看護師さんがお世話をしてくださることなのですが、主人は嫌がり、私の介助を望むのです。
疲れた身体には辛い工程です。それでも、落ち着くところまで見届けないと、家に帰っても心配で眠れません。
毎回大量の洗濯物を抱えて帰り、換えの衣類を持参してました。

結局、ポートを埋めてから熱を頻繁に発するようになった主人は、胸の痛みや圧迫感にも耐えられなくなり、外すことになってしまいました。

後に医師から説明を受けたことによると、通常は右の胸に埋め込むポートなので、左に入れたことで血管内に通したカテーテルが長すぎて、心臓近くにまでおよんだことが負担になったのかもしれないとのことでした。
再び右の胸にポートを埋め込みなおすという気力はなくなっていました。
また失敗するかもしれないし。。。(←主人の意見)

もう一度回復へ向けて、仕切り直しです。
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by idun-2006 | 2012-08-20 11:58 | 闘病生活

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